インプラントは、失った歯を歯根から回復できる唯一の治療法です。見た目が自然で噛み心地も天然歯に近く、顎の骨も痩せにくいことから、多くの方が第一にインプラントを希望するようになってきました。けれども、インプラントも決して万能ではありません。インプラントについて正しく理解しておかないと、後悔する可能性も十分にあります。そこで今回は、インプラント治療で後悔しないために知っておくべき注意点を五所川原市柏原町の小林歯科医院がわかりやすく解説をします。
■インプラント治療における4つの注意点
【注意点1】手術にはリスクを伴う
インプラント治療では、顎の骨にチタン製の人工歯根(フィクスチャー)を埋め込むという外科手術が必須となっています。交通事故による外傷や全身の病気で行う手術ほど大掛かりなものではありませんが、いくつかのリスクを伴うという点に注意が必要です。具体的には、重要な血管や神経を損傷するリスク、インプラントが上顎洞(じょうがくどう)に突き出るリスクなどが挙げられます。これらは精密な検査をした上で、患者様一人ひとりに合う適切な治療計画を立てることで回避しやすくなりますが、そのリスクをゼロにすることは現実的に難しいです。
【注意点2】インプラントが定着しない
外科手術を無事に終えたとしても、人工歯根であるインプラント体が顎の骨に定着しないこともあります。その原因としては、患者様の顎の骨の状態が悪い、インプラント体の埋入位置や深さを誤った、ドリリングの摩擦熱によって顎骨の細胞が死滅してしまったなどが挙げられます。また、手術後の口腔ケアが不十分だと、患部に細菌が感染してしまうこともあるため注意が必要です。
【注意点3】定期的なメンテナンスが欠かせない
インプラントは治療が完了した後も定期的に歯科医院でのメンテナンスを受ける必要があります。それはインプラントが人工臓器ともいえる装置だからです。見た目や構造は天然の歯そっくりではあるものの、あくまで人工物であることから、予期せぬトラブルが起こり得ます。例えば、上部構造の破折や土台(アバットメント)の緩み、人工歯根と顎の骨の結合を破壊するインプラント周囲炎などは、歯科医師によるメンテナンスを定期的に受けなければ予防や早期発見が難しいです。また、多くのインプラントメーカーでは、10年保証を付与していますが、トラブルが起きた際の修理などを無償で受けるためには、定期的なメンテナンスを受けている必要があります。
【注意点4】仕上がりに満足できないことがある
冒頭でも述べたように、インプラントは失った歯を歯根から回復できる治療法です。上手くいけば、もともとの歯の状態よりも美しく、噛みやすくなる可能性がありますが、逆のパターンもあり得ます。なぜならインプラントは、顎の骨の厚み、歯ぐきの形などによって、仕上がりが左右されやすい治療法だからです。また、歯科医師の技術や知識、経験によっても仕上がりが大きく変わる点に注意しましょう。
■インプラントで後悔しないためのポイント
【ポイント1】インプラント治療の経験が豊富な歯科医師を選ぶ
インプラント治療において、歯科医師・歯科医院選びは極めて重要です。インプラントは歯科の中でも専門性が高い分野なので、経験豊富な歯科医師・歯科医院を選んだ方が成功する可能性も高まります。
【ポイント2】実績のあるインプラントメーカーを選ぶ
ひと言でインプラントといってもその種類は100以上に上ります。市場では「格安インプラント」と呼ばれる製品も出回っており、費用の安さに惹かれる人も多いのですが、そこは一度立ち止まって慎重に考えましょう。インプラントは一生ものともいえる人工臓器です。実績のあるインプラントメーカーの製品を選んだ方が治療の成功率も高まりますし、後悔する可能性も低くなります。
【ポイント3】カウンセリング・検査・診断がしっかりしている
カウンセリングを丁寧に行ってくれることはもちろん、精密な検査・診断が行える歯科医院が望ましいです。この3つのプロセスはインプラント治療の土台となるものです。その過程で何かおかしい、疑問や質問に答えてくれない、といった不信感が出てきたら、セカンドオピニオンを利用することも検討しましょう。
【ポイント4】アフターフォローが充実している
上述したように、インプラントには定期的なメンテナンスが欠かせません。インプラント治療後も長期に渡るお付き合いとなるため、アフターフォローが充実している歯科医院だと安心できます。何かトラブルが起きた時も快く対応してくれる歯科医院が望ましいでしょう。
■まとめ
今回は、後悔しないために知っておくべきインプラントの注意点について、五所川原市柏原町の小林歯科医院が解説をしました。インプラント治療では、手術にリスクを伴う、インプラントが定着しないことがある、メンテナンスが必須、仕上がりに満足できない場合がある、といった点に注意しなければなりません。これらを事前に正しく理解しておかないと、いざトラブルが起こった際に後悔してしまいますので十分にご注意ください。