マウスピース矯正で歯が動くのはなぜ?|五所川原市柏原町にある歯医者|小林歯科医院

トピックス TOPICS

マウスピース矯正で歯が動くのはなぜ?



マウスピース矯正は、薄くて透明なマウスピースを装着して歯並びを治す方法ですが、どういうメカニズムで歯が動くのか不思議に感じている方も多いのではないでしょうか?

一つひとつの歯にブラケットを固定して、金属製ワイヤーで矯正力をかけるワイヤー矯正は、歯が動くメカニズムがわかりやすいだけに、マウスピース矯正への疑問も深くなることでしょう。今回はそんなマウスピース矯正で歯が動く仕組みを五所川原市柏原町の小林歯科医院がわかりやすく解説をします。


▼そもそもマウスピース矯正とは?


透明な樹脂製のマウスピースを使って歯並びをきれいにする治療法です。皆さんもマウスピース矯正のインビザラインはご存知のことでしょう。一見すると何もつけていないように見えて、食事や歯磨きの時に取り外せる、さらには発音障害も現れにくいマウスピース矯正は、歯の移動に伴う痛みも少ないという特長も備えています。実はこの点が今回のテーマである「マウスピース矯正で歯が動く仕組み」と関係があるのです。


▼マウスピース矯正で歯が動くメカニズム


マウスピース矯正で使用するマウスピースは、1枚1枚が少しずつ異なる形をしています。インビザラインならマウスピースを1~2週間に1回の頻度で交換していきますが、1つ先のステージに進む度に今の歯並びとはズレた形に設計されているのがこの装置の特徴です。つまり、インビザラインのマウスピースは、装着から1~2週間後にこうあって欲しいという歯列の形を想定して作られているので、装置を装着するだけで個々の歯に適切な矯正力がかかるようになっているのです。


ただし、インビザラインのマウスピース1枚で動かせる歯の距離は0.25mm程度にとどまることから、ワイヤー矯正のような強い痛みを伴うことはありません。0.25mm程度の移動というと微々たるものに感じるかもしれませんが、それを1~2週間ごとに行えば、1ヵ月で0.5~1.0mmに達します。この移動速度は、ワイヤー矯正とほぼ同じかそれ以上です。


▼マウスピース矯正で歯が動かない原因は?


上述したように、マウスピース矯正では装置を交換するたびに歯が動いていきます。特にインビザラインは矯正のスタートからゴールまでを歯科用CTや口腔内スキャナー(iTero)などのデジタルテクノロジーで管理できることから、歯の移動もスムーズに進むことが多いです。それでもマウスピース矯正で歯がなかなか動かなかったり、逆に後戻りしたりすることがあります。そうしたケースでは、次のような原因が考えられます。


【原因1】マウスピースの装着時間を守れていない


マウスピース矯正のインビザラインでは、1日20~22時間装着するのが基本となります。この装着時間を守れないと、当然ですが歯は計画通りに動いていきません。マウスピースを装着していない時間が長い場合は、歯が動かないどころか後戻りも生じ得ます。そうなると今使っているマウスピースが合わなくなるため、ひとつ前のマウスピースに戻さなければなりません。


【原因2】マウスピースを適切に装着できていない


マウスピースの装着が浅く、浮き上がりが生じている状態だと、歯列に対して適切な矯正力が働かないため、歯科医師の指示通りに装着するようにしましょう。インビザラインの場合は、チューイーという器具を使ってマウスピースをしっかりはめ込みます。


【原因3】マウスピースが変形・破損している


何らかの理由でマウスピースが変形や破損している場合も歯列に対して適切な矯正力が加わらないことから、歯が計画通りに動きません。マウスピースの変形や破損が疑われる場合は、速やかに担当の歯科医師へ相談しましょう。


【原因4】本当は動いている?


マウスピース矯正で歯の移動を実感できるまでには、それなりの期間を要します。上述したように、マウスピース1枚では0.25mm程度しか歯を動かすことができないため、その効果を肉眼で確認するのはなかなか難しいです。それでもマウスピースの装着と交換を続けていって、2~3ヵ月も経過すると、目に見える形で歯の移動を実感できることでしょう。それまでは焦らずにマウスピースの装着時間と交換頻度、装着方法をしっかり守って治療を継続していきましょう。もちろん、患者様の歯並びによってはもっと短期間で歯の動きを実感できることもあります。


▼まとめ


今回は、マウスピース矯正で歯が動くメカニズムについて、五所川原市柏原町の小林歯科医院が解説しました。マウスピース矯正で使用するマウスピースは、1枚1枚の形が少しずつ異なっています。そのズレを利用して歯を動かすのがマウスピース矯正の治療原理です。従来のワイヤー矯正とはまったく異なるメカニズムで歯を動かすことから、戸惑ってしまう方もいらっしゃるかと思いますが、その点は過剰に心配する必要はありません。特にマウスピース矯正のインビザラインは、歯科用CTや口腔内スキャナー(iTero)などのデジタルテクノロジーを駆使した矯正法となっているため、計画通りに治療を進めやすいことかと思います。


小林歯科医院
歯科医師
⇒理事長の経歴はこちら