■マウスピース矯正(インビザライン)は痛い?
マウスピース矯正のインビザラインは、歯並びを快適に治せる治療法ですが、痛みに関してはどうなのか不安に感じている方もいらっしゃることでしょう。矯正装置が目立ちにくく、食事や歯磨きの時に取り外せても、痛みが強かったら続ける自信もなくなります。そこで今回は、マウスピース矯正「インビザライン」に伴う痛みの程度について、五所川原市柏原町の小林歯科医院がわかりやすく解説をします。
●ワイヤー矯正よりも痛くない
結論からいうと、インビザラインは従来の矯正方法よりも痛みが少ないです。とくにワイヤー矯正と比較した場合は、痛みや不快感、ストレスを感じにくい矯正方法といえるでしょう。それは次の理由からです。
【理由1】比較的弱い力で歯を動かす
ワイヤー矯正とインビザラインでは、歯を動かす仕組みが大きく異なります。ワイヤー矯正は、1本1本の歯にブラケットを接着して、任意の形に曲げたワイヤーで歯を動かす方法なので、比較的強い力がかかると同時に、歯の移動に伴う痛みも強くなります。一方、インビザラインでは樹脂製のマウスピースを使って歯を緩やかに動かすことから、歯の移動に伴う痛みもワイヤー矯正より少ないのです。ちなみに、ワイヤー矯正では1回の調整で0.5mmくらい歯を動かせますが、インビザラインのマウスピースは1枚あたり0.25mm程度にとどまります。
【理由2】装置が粘膜を刺激しない
インビザラインのマウスピースは、厚みが0.5mm程度しかありません。表面もツルツルなので、装着時にお口の中を強く圧迫したり、装置の一部が口腔粘膜を刺激したりすることがほとんどないのです。もちろん、マウスピースをつけた時に違和感・異物感は生じますが、それも時間の経過とともに気にならなくなることでしょう。
●インビザラインで痛みが生じるタイミング
インビザライン矯正では、次のタイミングで痛みが生じる場合があります。
【タイミング1】マウスピースを着脱する時
マウスピースを着ける時と外す時には、軽い痛みや刺激を伴うことがあります。とくにアタッチメントという突起を歯面に付けている場合は、マウスピースの着脱に伴う痛みが強くなりやすいですが、日常生活に支障をきたすようなものではありませんので、ご安心ください。
【タイミング2】歯が動いている時
新しいマウスピースに交換したタイミングでは、歯に対して強い矯正力がかかります。それは歯の移動が活発になるタイミングでもあるため、2~3日は比較的強い痛みが生じます。ただし、この痛みもワイヤー矯正と比較するとかなり弱いものといえるでしょう。
【タイミング3】食べ物を噛んだ時
私たちの歯は、歯槽骨(しそうこつ)という骨に埋まっています。その歯を人為的に動かすのが歯列矯正であり、治療期間中は歯周組織に炎症反応が起こっています。骨の吸収と再生のサイクルが活発になっている時期は、食べ物を噛んだ時に痛みを感じやすくなります。この時の痛みがインビザライン矯正において最も強い症状といえるかもしれませんが、ワイヤー矯正ほどのものではありません。
●インビザラインの痛みを抑える方法
このように、痛みの少ないインビザラインでも治療期間中は少なからず疼痛や歯が圧迫されるような症状が現れます。そうした症状を最小限に抑えたい方は、次の方法を実践してみてください。
【方法1】硬い食べ物を避ける
硬い食べ物は、噛んだ時の痛みを誘発しやすいため、できる限り避けるようにしましょう。とくに新しいマウスピースに交換した直後は、ほとんど噛まずに飲み込めるような食事が望ましいです。
【方法2】マウスピースの装着時間・交換頻度を守る
インビザラインのマウスピースは1日20~22時間程度、1~2週間ごとの交換が必須です。それらを守れないと、歯の移動が計画通りに進まず、新しいマウスピースを交換した時に強い痛みが生じやすくなります。
【方法3】痛み止めを飲む
インビザラインに伴う痛みが強くて我慢できない場合は、市販の痛み止めを飲みましょう。普段飲み慣れている痛み止めで構いませんので、用法・用量を守った上で服用してください。ただし、矯正中に痛み止めを常用するのは良くありません。そもそも痛み止めは、鎮痛だけでなく炎症反応を抑える効果もあるため、歯を動かす治療とは相性が良くありません。何より痛み止めの常用は全身にも悪影響が及ぶことから、ここぞという時だけ服用するようにしましょう。
■まとめ
今回は、マウスピース矯正のインビザラインに伴う痛みについて、五所川原市柏原町の小林歯科医院が解説しました。インビザラインはワイヤー矯正よりも痛みが少ない治療法ですが、新しいマウスピースに交換した直後やマウスピースの着脱時、硬いものを噛んだ時などに痛みが生じやすくなっていますので、その点も理解した上で検討を進めていくことが大切です。